今週のお題「最近、ハマっていること」麻生夏子 Lovely Girls Anthemが凄すぎる件

最近、ハマっているものそれはこれ
先週たまたまネットで見つけた
かわいい…かわいすぎる…


…どうですか…


麻生夏子(あそう なつこ)(敬称略)というそうです
すばらしい。ほんとうにすばらしい。カワイイようで、カッコいい。レトロなようで、フレッシュ。子供っぽいようで、大人っぽい。やさしそうで刺激的。なんとも言葉にしにくい…もう、すばらしいとしか
説明なんてムリ…と思うが、なんども見るうちに、こういうことではないか、という仮説にたどりついた
ただ、めちゃくちゃで、しかも長くなりそうなため、このへんで満足されたかたはありがとうございました

麻生夏子『Lovely Girls Anthem』|Lantis web site←公式特設サイト
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さて、ここから本番
この歌はアニメソング。「探偵オペラミルキィホームズ2」という作品のエンディングテーマ。2012年1月から現在も放送中。今週最終回。おはなしは楽しいドタバタコメディ。あまりにもぶっ飛んだはなしのためエンディングにながれるこれは「浄化ED」と呼ばれているらしい
しかし、アニメソングなのにそれっぽくない。それはおそらく作編曲「平田祥一郎」がアイドルソングをおおく手がけるミュージシャンであるからだろう

この唄がすごいのを説明するのに、おおきく2つに分けてみる
1.アイドルソングとしての「Lovely Girls Anthem
2.アニメソングとしての「Lovely Girls Anthem


1.アイドルソングとしての「Lovely Girls Anthem
 「K-POPの影響をうけながら日本のアイドル感をだしている」のがすごい
 K-POPの影響は見ためとダンスチューンであるとこ。T-ARAのネコミミのようにしたリボン、少女時代のような踊りそして16ビートのリズムでノリノリなところ。菊地成孔の粋な夜電波によると女性K-POPアイドルが日本を席巻した理由のひとつは16ビートにカタコトの日本語をのせたから。ふつうの日本語では16ビートに相性がわるいらしい。ひるがえって、この唄も最初はききとれなかった。けれど動画をみながらヨコノリでおどると、じょじょに歌詞がきこえる。一聴するとほとんど外国語にきこえるが、じつは歌詞カードをみるとほとんどが日本語。その最新のアイドルソングぽいところ、それがすごい
 さらにすごいのは最新のK-POPの影響をうけながら伝統的な日本のアイドルの要素があるところ。韓国、香港、中国、台湾、インドネシア、さらに欧米のアイドルがあらわれても絶対的に日本にしかないのは「伝統」。日本伝統のアイドル感、それはフリフリの衣装に、ほとんど、その場を動かない踊り、そしてなによりK-POPに絶対ない要素としては「健康的」なイメージ。色彩や衣装、空気感すべてが"おいしそう"
 そもそもアイドルソングとはファンへむけたものである。仮に日本の近代アイドルがK-POPの影響をうけても日本のファンには受け入れる土壌がないかも知れない。あまりにも少女時代やKARAが衝撃的だったためパクリと思われるから。しかしこの曲はアニメソング。ファンのためというより作品が中心。ゆえに最新のK-POPの影響をうけながら日本のアイドル感をだすことが出来る。アイドルソングができないことをサラッとやってしまった。ゆえにアイドルソングとして「Lovely Girls Anthem」はすごい

2.アニメソングとしての「Lovely Girls Anthem
 独特の声と最新のリズム感でクールにアニソンの幅をひろげてるのがすごい
 彼女の歌をきいて印象にのこったのは低音と鼻声。アニメソングは作品のイメージをまもるのが大事。深刻なおはなしでもスットンキョな唄ではこまる。そのためアイドルにくらべアニソン歌手はスキルがもとめられる
 彼女のこえは低くきこえる。想定しているただしい旋律より低いと外してると思われる。しかし麻生夏子はつねに一定の低くきこえるところで主旋律を唄ってる。アイドルのそれとは違う。もしかしたら音波の波の形の問題であってそう感じるだけかも知れない。聞いてるほうが彼女の高さに耳の感覚をあわせれば問題ない。外してるんじゃなくてそういう楽器だとおもえばいい
 日本人は鼻声をきらう。過去にも鼻に抜けた甘い歌い方をする「UPビート」のボーカル広石武彦への友人たちの反応はひややか。日本には鼻濁音みたいな発音が少ないため聞きなれないからか。しかし鼻に抜く発声は声帯にふたんをかけないすばらしい歌いかた。鼻声は彼女の歌手生命をのばすに違いない
 なにより、この曲では彼女の声がよくあっている。こういう仮説をかんがえた。日本に、鼻濁音みたいな発音が少ないため、逆に彼女の歌は日本語であっても外国語を歌っているような感じを連想させ、さらに16ビートへよくあうのでは。HIPHOPのラップでは鼻声で主旋律より音程やリズムを絶妙にはずすような感じをクールなどと評価する。この歌にもクールな印象がある。
 声のはなしだけではない。NHKの爆チュウ問題でカラオケのコツを教える回がありそこで「女性は、前かがみになれば(男はそりかえる)と腹筋に力がはいり大きい声がでる」と言っていた。しかしライブをしている動画をみると麻生夏子の鼻に抜けるような発声は後頭部へ音をひびかせるような感じで音を増幅させるためか前かがみになる必要がなく常に姿勢がよい。サビの盛り上がるところでさえ平気で顔をあげて踊っている。そして目や肩の高さがかわらない。ステージもクール
 以上から彼女のクールで16ビートにも対応できる歌唱法は熱唱系のおおいアニメソング界では貴重かもしれない

3.最後に
 もしかしてアニソンファンはアイドルファンより気楽かもしれない
 「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」のシネマハスラーAKB48のドキュメント映画についての解説批評がすばらしかった。映画はみていないが「アイドルファンが応援すればするほど大好きなアイドルを苦しめる矛盾」は深刻だ。しかしアニソンはアニメ本編がメインであるため、がんばってもアニメが人気なければ売れない。本人に責任がない。それ以外にも、もし一時的に引退しても歌唱力さえ過去のままであれば以前どおり復帰できる。アイドル歌手にくらべアニソン歌手はガス抜きがあるため応援するほうも気が楽かもしれない
 気楽、といえども知名度はあがってほしい。この曲がアニソンとしてもっと評価されるには「探偵オペラミルキィホームズ2」の評価がさらに上がればよい。しかし、あと一回で終わり。こんなに出来のい曲が埋もれてしまうのはもったいない。あと日本のアイドルもK-POPのマネはムリでも「Lovely Girls Anthem」のマネなら出来るはず。どちらも盛り上がって欲しい